サロンを開業するにあたり、施術メニューと合わせてエステ機器の準備を検討される方も多いでしょう。
一口にエステ機器と言っても家庭用と業務用の2つがあり、効果の高さを考えると業務用エステ機器が採用されます。
ただ、家庭用と業務用では価格に大きな違いがあり、開業の時に業務用エステ機器を導入できるか不安を持たれる方は少なくありません。
本当にサロン開業で業務用エステ機器は必要なのか、また購入する際のポイントについてご紹介しましょう。
業務用エステ機器は導入するべきか？
業務用エステ機器は家庭用エステ機器よりも効果が高く、サイズも大型が多いので価格は高くなってしまいます。
機器にかかる費用を回収できるか不安になり、導入を躊躇ってしまうかもしれません。
また、大きな機器や複数の機器を用意する場合は、設置するスペースを確保しなければならず、店舗の面積によってはレイアウトに工夫が必要でしょう。
業務用エステ機器はこのようなデメリットがありますが、その分導入するメリットはたくさんあります。
技術力が不足しても安定した効果が出せる
オールハンドは知識や技術がないと正確な効果が発揮されず、効果が出なければ顧客の満足度やお店の評価にも関わってきてしまいます。
業務用エステ機器は操作に慣れてしまえば、特殊な技術を持たない施術者でも安定した効果を出すことができます。
今後従業員を増やす場合、中には技術を持たない人を採用することもあるでしょう。
業務用エステ機器の操作をマスターすれば経験者と変わらない施術が可能なので、未経験者を採用した際も安心です。
サロンの回転率を上げられる
業務用エステ機器を使用しない施術はより丁寧な施術が求められるので、その分時間がかかってしまいます。
1人あたりの施術時間が長引けばお店の回転率が悪くなるので、それが原因で売上が落ちる可能性もあるでしょう。
業務用エステ機器を導入すれば効率良く施術ができるので時間短縮となり、回転率をアップさせることができます。
回転率が良くなり売上が安定すれば格安プランも考案できるようになり、それが顧客を増やすきっかけになることもあるでしょう。
様々なメニューが作れるようになる
人の手では実現できる施術に限界がありますが、業務用エステ機器ならメニューの幅を広げられるでしょう。
業務用エステ機器の中には機能が複合しているものもあるので、そのような機器なら1つのメニューにこだわらず、複数のメニューを1台で提供できます。
顧客の満足度はメニュー量の多さも関係しており、様々なニーズに応えられるサロンは人気を集められます。
集客に活かせる
顧客の多くはサロンで使っている業務用エステ機器に興味を持っています。
その理由はお金をかけている分、効果の高い施術を受けたいと思っているからです。
顧客にとって魅力と感じる業務用エステ機器を導入すれば、それはサロンでの強みとなるので集客効果に期待できます。
このように、業務用エステ機器の導入はサロン経営で良い効果をもたらすと言えるので導入をおすすめします。
導入する際はどのくらいの利益が見込まれるか、また初期費用の回収にどれだけかかるかを配慮し、見通しを立てることが大切です。
購入場所によってもメリットが変わる
業務用エステ機器を購入する方法はいくつもあります。
実は購入場所によってもメリットが変わってくるので、それを理解した上で購入を考えていくと良いでしょう。
業務用エステ機器の購入場所は卸業者、メーカー、美容商材のイベント、中古販売店があるので、それぞれのメリットと注意点についてご紹介します。
卸業者
業務用エステ機器を購入する方法として卸業者から仕入れると考える方は多いでしょう。
特にどのメーカーの機器が欲しいかピンポイントで見つかっていない場合、卸業者なら様々なメーカー商品を探すことができます。
各メーカー商品の知識も多いので、どの業務用エステ機器を購入するべきか悩んでいる時も、専門的なアドバイスを受けて選ぶことができるでしょう。
また、メーカーごとにわざわざ問い合わせて購入する手間がないところもメリットです。
メーカー
欲しいと思っている業務用エステ機器があれば、メーカーから直接購入する方法もあります。
メーカーから直接買うメリットは、開発元なので卸業者よりも機器に関して詳細な内容を理解していることです。
業務用エステ機器で不明な点があっても、メーカーなら正確に答えてくれるので安心でしょう。
いくつもモデルがある場合は、それぞれの違いなどを詳しく把握して適した業務用エステ機器を選ぶことができます。
正規サポートも用意しているので、何かあった時はメーカーのサポートに期待できます。
デメリットとして自社商品しか対応していないので、他社製品に関する知識は乏しく、比較する際には自ら調査しなくてはなりません。
美容商材のイベント
ビューティーワールドジャパンなど、美容商材に関するイベントでも購入することが可能です。
様々なメーカーが参加しているので比較しやすく、最新の業務用エステ機器を一気に確認できるメリットがあります。
多数の美容商材をチェックすることで、今後の需要も掴めるようになるので将来的なことも視野に入れた業務用エステ機器の選択も可能です。
美容商材のイベントでは実際に体験して操作性の良さや施術の効果を体感して選ぶこともできます。
中古販売店
実は業務用エステ機器は中古販売店でも流通しており、新品よりも抑えた価格で購入できるので負担をかけずに導入できます。
中古といっても品質や効果が変わることはないので、安心して導入できるでしょう。
ただ、正規の購入ではないため、メーカーからの保証やサポートが受けられない可能性があります。
また、購入した中古販売店でも独自に保証やサポートを用意しているとは限りません。
中古品となるので正常に動作する保証もなく、モデルも古いものに偏ってしまうデメリットも理解しておきましょう。
業務用エステ機器の購入場所によって様々なメリットがあります。
もちろんデメリットもあるので、自分にとってメリットの大きな購入場所を選ぶようにしましょう。
中古の業務用エステ機器は安価で導入できるメリットがあるものの、サポートや動作の安定を考えると新品がおすすめです。
購入する際のポイント
業務用エステ機器を導入するにあたり、どんなコンセプトでサロン経営していきたいかで購入する機器が大きく変わってきます。
続いては、業務用エステ機器を購入する際に必要なポイントについてご紹介していきます。
購入してから後悔しないよう、以下のことを確認しながら機器選びをしていきましょう。
ランニングコストはどれくらい？
業務用エステ機器本体のコストはもちろん、施術の際に使用するジェルや美容液などの付属品を含め、施術にどのくらいのコストがかかるか算出します。
1人あたりに必要なコストや定期的に購入する必要があるものを挙げていきましょう。
エステ機器の種類や施術内容によって電気代も大きく異なるので、あらかじめ把握しておくことが大切です。
例えば脱毛機器の場合、ランプ代やショット数、ジェル代など1ショットでどのくらいコストが発生するのか具体的な数字を洗い出しておく必要があります。
この費用を購入する前に算出しておくことで、エステ機器代をどのくらいの年月で回収することができるのか明確になってきます。
どんな機能が備わっているか
検討中の業務用エステ機器に、必要な機能が備わっているか確認しましょう。
業務用エステ機器には痩身や美容などにアプローチするための機能がたくさん備わっています。
高周波やラジオ波、超音波、キャビテーションなど様々なな光や電波が利用されているので、購入を検討している機器にどのような機能があるのか確認しておくこともポイントになります。
業務用エステ機器の中にはフェイスからボディまでトータルケアに対応しているものもあります。
それぞれどんな機能が備わっているのか熟知しておくと良いでしょう。
商品の価格
業務用エステ機器は脱毛機器や美容機器に比べて、本体価格が非常に高い傾向にあります。
サロンの中でも需要が高いことから業務用エステ機器に関する技術開発や製造に企業は多大な努力を惜しみません。
そのため豊富な種類のエステ機器が流通しているので、商品価格に同じものはないでしょう。
多機能なエステ機器になればそれだけ値段も高くなりますが、それにはきちんと理由があります。
安全性を高めるためには多くの臨床実験を繰り返し行っているメーカーも珍しくなく、その分業務用エステ機器には大きなコストがかかっているのです。
ですから、あまりにも安価な商品や値引き率の高い商品は、もしかしたら出力に関係しているかもしれないので同等の商品と比較してみましょう。
施術パワーによっては求められる効果が達成できない場合もあり、トラブルの原因にもなります。
妥当な価格か確認した上で、見本や試供品などを参考にしながら購入を決定するようにしてください。
エステ機器本体のサイズや重さ
業務用エステ機器は施術効果やサロンの需要に大きく影響するものなので、機能や価格にこだわる気持ちも分かります。
しかし、いざ購入してみたら「施術ルームに機器が収まらない」となってしまうことも考えられます。
購入前に必ず施術ルームの広さやベッドの位置、機器の配置、必要になる備品のサイズを確認しておくようにしましょう。
機器のサイズが問題なければ施術ルームの雰囲気やレイアウトが損なわれないかどうかも考慮してみてください。
また、施術中にエステ機器を移動する場合、どのような流れでどの位置に機器を置くのかも考える必要があります。
メンテナンスやアフターサポートの有無
業務用エステ機器は一般の電化製品と違って、故障や修理が必要になると長期間メンテナンスが必要になります。
メンテナンスが必要になった時、国内工場があるメーカーは比較的点検や修理期間が短くなりますが、海外に工場があるメーカーは長期間機器を預けることになるので、代用機器を用意しなければなりません。
また、機器本体を長持ちさせるために定期点検や手入れなども必要です。
メンテナンスの頻度は機器によって異なりますが、メーカーによってはサポート制度がないところもあるので、購入前にしっかり確認しておきましょう。
中には売上アップのためのセミナーや勉強会を実施し、サロンの収益をサポートしてくれるところもあります。
アフターサポートがある場合は保証期間がどのくらいの期間設けられているのか、万が一故障した時どのような対応をしてくれるのかという点も把握しておきましょう。
導入方法や支払いについて
購入を検討しているエステ機器にレンタル、またはリース契約があるのかを確認してみましょう。
中には実際に使用してみて施術効果が得られなかったり、ランニングコストがかかり過ぎたりする状況も出てきます。
この場合は、レンタルしている機器を返却し、別の機器に入れ替えることが可能です。
しかし、リースやレンタルの場合はその分金利が発生することも頭に入れておかなくてはなりません。
サロンの所有物ではないため、万が一スタッフのミスで機器を故障させてしまった場合は自身で業者に修理や取替えを依頼しなければならず、費用についても自己負担となってしまうでしょう。
支払い総額で比較するとレンタルやリースの場合は、一括購入するよりも割高になってしまうケースが多いようです。
サロンの所有物として機器を購入する場合は、直接メーカーから購入するのか、卸業者から購入するのか、中古販売店から購入するのかについても考えるようにしてください。
販売歴やトラブルなどの実績がないか
発売から間もないエステ機器は実績が少ない分、どれだけの施術効果があるのか参考になる要素が少ないです。
一方、実績のあるエステ機器は様々な症例を経験しており、万が一の時の対応や解決方法も備えている場合が多いでしょう。
最新機器は以前までクリアできなかった症例にも対応できる期待値は高いものの、実際にサロンで使用して初めて分かることも多いようです。
そうなると事例がないエステ機器はサロン側の柔軟な対応が必要になってきます。
導入後どのような変化が見られたのかなど過去の実績や解決方法などが確認できる機器は、サロンにとって扱いやすい要素になるでしょう。
今回は業務用エステ機器を購入する際のポイントについてご紹介してきました。
業務用エステ機器を購入することでサロンにとって様々なメリットが見られます。
業務用エステ機器の購入は経営を左右させる重大な選択です。
機器の導入で失敗しないためにも、今回のポイントを参考にして効率の良い施術方法で売り上げに貢献していけるようにしましょう。
