エステサロン開業に使える助成金はあるの?

エステサロン 開業 助成金

エステサロンの開業を考えている方の中には資金不足に悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
開業するための費用も必要となりますが、最初はあまり顧客も入りにくいことを考えると、ある程度の運転資金も必要になってくると言えます。

まずは資金集めに奮闘しなくてはならないと感じている方は、ぜひ助成金について知っておきましょう。
エステサロンを開業する際に使える助成金はいくつかあります。

どのような助成金を使用すれば良いのでしょうか?
今回は、エステサロン開業に活用できる助成金や、開業・運転資金に関してご紹介していきます。

これからエステサロンの開業を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

エステサロンの開業・運転資金はどれくらいかかる?

エステサロンを開業するためにはある程度の資金が必要になってくるのですが、一体どれくらいの資金を集めなくてはならないのでしょうか?
資金に関しては、サロンの場所や規模、取り扱うコースによっても金額が変わってきます。

開業資金

開業資金は大きく分けて4つに分類することができます。

絶対に必要な消耗品

エステサロンを開業する際に絶対必要となってくるものがあります。
例えば施術をするためのベッドやカウンセリング・待合室などに設置する椅子、タオル、ブランケット、マスク、消毒用アルコール、パソコンなどの通信機器などです。

ベッド

これらは清潔感にもつながるものも多いので、必ず開業前に準備しておくようにしましょう。
なお、絶対に必要な消耗品にかかる費用は、10万円程度です。

不動産にかかる費用や保険料

テナントを借りてエステサロンを運営する場合、そのテナントを利用するための費用が必要となります。
家賃に加えて敷金や礼金、不動産業者への仲介手数料などは開業資金として準備しておきましょう。

なお、この場合の家賃は開業資金としても必要ですが、運転資金にもなります。
保険料に関しては、例えば火災保険や地震保険など、必要に応じて保険に加入しておきましょう。

保険に加入しておけば、万が一のことがあっても安心です。
費用は、その物件や保険によって異なりますが、安ければ数万円程度で済みますし、逆に高くなれば数十万円かかってしまうこともあるでしょう。

施術ごとに必要なもの

エステサロンではそれぞれ提供するメニューが異なります。
フェイシャルを専門にしているところもあれば、痩身メインで行っているところもあるでしょう。

それぞれの施術メニューごとに業務用エステ機器やスキンケア用品、オイルなどを変える場合はそれらもあらかじめ準備しておきましょう。

ボディケアサロン
費用はエステ機器を購入するか、オールハンドで施術するかによって大きく異なります。

エステ機器の多くは数十万円から数百万円かかるため、ここで多くのコストがかかってくることでしょう。

宣伝費用

エステサロンを開業する際には広告を出すことも重要となります。
フランチャイズ契約でオープンする場合はブランド名もあるので、そこまで宣伝に力を入れなくてもそこそこの集客を集めることはできます。

しかし、個人開業のエステサロンの場合は誰もどのようなサロンか知らないため、まずは多くの人に知ってもらわないと集客にはつながりません
もちろん、中には広告をほとんど出しておらず、それでも口コミだけで人気店になっていったお店もあります。

ただしそのようなお店はほんの一握りでしかなく、広告もサロン開業には必要な資金となるので、ある程度の準備はしておくようにしましょう。

費用
広告にかかる費用の内訳としては、ホームページや名刺、チラシの制作などです。
自分で制作できるという場合は最高でも数万円程度に費用を抑えられますが、大々的に宣伝したい、多くの人を集めたいとなると、広告費が100万円以上必要な場合もあります。

運転資金

運転資金は、家賃や水道光熱費などの固定費に消耗品などにかかる雑費、さらに広告費などが必要となってきます。

オープンしてから初日~1ヶ月程度はキャンペーンなども駆使するとある程度の集客が望めますが、2ヶ月目からは新規顧客が少なく、リピーターも付かない状態になってしまうためしばらく安定しない状況が続いてしまいます。

あらかじめ毎月どれくらいの運転資金がかかるか予測しておき、オープンから3ヶ月から半年程度は売上が安定していなくても営業していけるように資金を準備しておきましょう。

運転資金を抑えたい場合は、テナントを借りずに自宅をサロンとして開業する方法がおすすめです。
それだけでかなりの運転資金を節約することができます。

ただし、自宅をサロンとして開業する場合にも様々なデメリットが生じてしまうため、運転資金だけを見るのではなくメリット・デメリットを把握した上で慎重に決定しましょう。

助成金は誰でも受けられるのか?

では、ここからは助成金について詳しく解説していきます。

エステサロンを開業する際に使える助成金は、基本的に雇用保険に加入している人を雇っていることでもらえるものです。
そもそも助成金とは、厚生労働省が労働環境を整備した報酬として受け取れるものです。

アルバイト・パートでも雇用保険に加入できる環境を作ることで助成金が受け取れるようになっているのです。

リバウンド
ただ、助成金をもらうために予定になかった雇用を行わなくてはならない場合は、逆に人件費がかさんでしまい結果的に赤字となってしまう可能性も考えられるため、最初から人を雇って運営していきたいと考えている方は助成金についてチェックしてみると良いでしょう。

応募条件をクリアしていれば受け取れる可能性は非常に高いのですが、実はエステサロンの多くが助成金を利用していないと言われています。

なぜ助成金を利用していないかというと、恐らく助成金があることを知らなかったり、公募開始から終了するまでの期間が短く準備が終わらなかったり、職場環境を整える必要があるなどの理由が考えられます。

もし、助成金を利用したいが受給できるかどうか分からない、どうすれば助成金が受給できるのか詳しく知りたいという時は、社労士などに相談してみましょう

エステサロン開業時に使える助成金の種類

エステサロン開業をサポートしてくれる助成金の中には、申請しやすいものもあります。
では、ここからはエステサロンを開業時に使える助成金の種類についてご紹介していきましょう。

エステサロン 助成金

人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、エステサロンで働くスタッフのキャリア形成促進に積極的な場合に支給されるものです。
訓練指導やセミナーへの参加・外国語を身に付ける際に活用することができます。

人材育成制度を導入・実施しているサロンや継続して取り組んでいれば、それに伴う訓練期間や研修期間に応じた賃金が女性される仕組みです。

キャリアアップ助成金

非正規雇用労働者であるパート・アルバイト・契約労働者に対するキャリアアップを支援する助成金です。
対象となるスタッフを雇用し、キャリアアップに取り組めば助成金を受給できます。

キャリアアップ助成金には正社員化コース・人材育成コース・賃金規程等共通化コース・諸手当制度共通化コースなどがあり、それぞれ助成内容が異なるのが特徴です。
中でも最も申請しやすい正社員化コースでは、正規雇用(正社員)した場合に受給することができます。

トライアル雇用助成金

職業経験や技能、知識などのあらゆる側面において就職が困難な求職者を、一定期間試行雇用した場合に受け取ることのできる助成金です。
ハローワークや職業紹介業者を介して試行雇用する仕組みで、適性や業務遂行能力を判断し、求職者の雇用機会を図ることにつながります。

雇用

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者というのは、高年齢やシングルマザーなどの一般的に就職困難とされる方を言います。
ハローワークや職業紹介業者からの紹介で、継続して雇用した場合に受け取ることができる仕組みです。

地域雇用開発助成金

厚生労働省のホームページに記載された対象地域においてサロンを開業した場合に受給できる助成金のことです。
目的は地域の雇用拡大で、その地域に居住している求職者を雇用する事業主に助成するものです。

このほかにも、働き方改革助成金や地方再生中小企業創業助成金などの助成金制度があるため、サロンの地域や申請条件をチェックしておくようにしましょう。

助成金と補助金の違いとは?

エステサロンが利用できる支援金として、助成金のほかに補助金というものがあります。
助成金と異なるのは、申請条件が合っていても選考によっては受け取ることができない可能性があるということではないでしょうか?

上記で紹介した助成金については、申請条件をクリアしていれば受給することができます。
しかし、補助金は経済産業省や中小企業庁が扱っている融資などを指し、選考によって判断されます。

また、補助金を受給するにはエステサロンを開業してから報告書を作成し、提出しなければなりません
エステサロン開業時には目指す経営方針を明確にして、それに伴って条件の合う助成金を受け取ることが最初のステップとなるでしょう。

助成金を申請する際に気を付けたいポイント

助成金を受け取るためには多くの書類を用意する必要があり、業務に支障が出る可能性があります。

助成金の申請条件は様々なものがあるため、申請することによって今後どのようになるかをしっかりと考えて準備する必要があります。
申請時には領収書をはじめとする支払い明細が必要なので、それらをしっかりと保管しておくことも重要なポイントです。

また、基本的に助成金は後払いになっているため、申請する場合でも1度は支払っておかなければなりません。
申請から受給までは6ヶ月以上の期間がかかることも多く、申請して受け取るまでの間に経営が厳しい状況になってしまっては経営そのものが困難になってしまいます。

開業資金に余裕があると判断されたときに申請するということ、どの経費が助成金の対象になるのかを確認しておくことが非常に大切です。
助成金の申請をする際に注意しておきたい点は、経営が軌道に乗ってから申請する場合にもあります。

例えば、スタッフの研修で人材開発支援助成金を受け取りたいと考えている際には、実際に行ってからではなく、アクションを起こす前に計画的に準備しておく必要があります。

助成金によっては、申請をせずに行動に起こしたことで受給できなかったというケースも多々あるため、まずは助成金について良く知り、どのようなものを受け取りたいのか明確にして準備しておかなければなりません

条件を満たしているかしっかりと確認しよう

そもそも助成金は厚生労働省が扱っているものであり、雇用保険料の一部で成り立っているものでもあります。

そのため、当然ながら労働関係法令に遵守しているサロンや企業しか受け取ることができません。
助成金によっては、勤怠書類や給与明細などの書類などの細かい確認が必要となる場合も多く、法令違反と判断された場合は改善されてからでなければ受給できないでしょう。

この他にも、それぞれの助成金によって申請条件や必要書類も異なるため、助成金の要件を満たしているかどうかの確認は必要不可欠です。
特に、書類が不足していた場合、助成金の受給が決定していても申請額の減額や申請そのものが取り消しになる可能性があります。

申請条件で見落としている書類がないよう、隅々まできちんと確認しましょう。

調べもの

また、事前に計画書を提出して認定を受けた計画通りに取り組んでも、申請制限が過ぎていれば助成金を受け取れなくなってしまいます。
一定期間の間に申請するものが多いため、それぞれの助成金の申請締め切りにも注意しましょう。

基本的には、助成金は実績が重要視されるため、注意点を理解し、助成金の条件を満たせば受給することができるでしょう。

ここまで、エステサロンの開業を考えている方に向けて理解しておきたい開業資金・運転資金・助成金について詳しく紹介してきました。
エステサロンを実際に開業する際には、資金確保は大きな課題となります。

助成金を適切に利用することで、サロン経営の資金調達を上手に行っていくことができます。

ただ、助成金制度は申請しやすい便利な制度でありながら、申請時には条件を満たしていなければなりません。
手続きに関して自分だけでは不安と感じている方や、上手に助成金を利用していきたいと考えている方は、まず専門家に相談してみましょう。