業務用EMS機器~簡単に筋力を鍛えられるEMS機器

業務用EMS

業務用EMS機器はダイエットに欠かせない筋肉を鍛えられる機器です。

もともとは体を動かせない人のリハビリや痛みの軽減治療に使われており、筋肉強化を目的としたスポーツマンが使う機器でした。
EMSで筋肉量を増やせる仕組みやEMS機器のタイプをご紹介していきます。

EMSとは?

EMSは「Electrical Muscle Stimulation」の略です。

電気によって筋肉を刺激する意味があり、EMS機器は実際に電気を流すことで筋肉を鍛えることができます。
電気による刺激を与えることで筋肉は脳から伝達された刺激だと勘違いするため、筋トレをしていない状態でも鍛えることが可能なのです。

何もしていなくても筋肉量が増やせるため、体が不自由な人も筋肉量の維持やアップなど病院での治療でもよく使用されています。

電気刺激なので通常の筋トレや運動では難しいトレーニング量をこなすことができ、さらに周波数によっては深部の筋肉まで鍛え上げ、代謝の良い痩せやすい体に導くことが可能です。

EMS機器の形状タイプ

EMS機器といっても様々な形状があり、使用できる部分も異なります。
主な形状は4タイプです。

パッド型EMS機器

業務用EMS問わず家庭用EMSでも主流の形状タイプです。

吸着力のあるパッドを好きな部分に貼りつけ、電気刺激を与えて筋肉を鍛えることができます。

パッドのサイズは機器によって異なり、5~10cmの小型もあれば、20cm近くのサイズもあります。
施術したい部分をピンポイントでアプローチでき、他の形状よりも圧迫感や痛みを感じにくいことがメリットです。

しかし、パッドの吸着力は落ちやすいので交換が必要になることがコスト面でデメリットでしょう。

ベルト型EMS機器

主に家庭用で見かけるEMS機器です。
ベルト状のEMS機器を腹部や太ももも、腕に巻いて使用します。

パッドと比べて広範囲の施術が可能ですが、振動が強いので肌を傷めないように潤滑剤として専用ジェルを使うことがあります。
ベルト部分の重みや締め付けの圧迫感がデメリットな点でしょう。

グローブ型EMS機器

手袋にEMS機能が搭載されているEMS機器です。
施術者の手に装着し、ハンドマッサージのように刺激を与えたい部分に触れて電気を流します。

当て方によって刺激を加減できるため、マッサージをしながら筋肉を鍛えることも可能です。
パッドやベルトでは施術が難しい部位のアプローチに有効です。

ヘッド型EMS機器

主に業務用に使われるEMS機器です。
機器によってヘッドのサイズは異なりますが、広範囲なので部分はもちろん全身のトリートメントもスムーズに行えます。

このタイプではEMSだけではなく、ラジオ波やキャビテーションなどの機能も搭載されている機器がほとんどです。

業務用EMS機器はどんな効果がある?

EMS機器、とくに業務用などの強いパワーのあるものを使えば手軽に筋肉量を増やせますが、具体的にどんな効果がもたらせるのでしょうか。
EMS機器で得られるダイエット効果をご紹介します。

EMS機器で痩せやすい体になる

体に蓄えたエネルギーは筋肉があるだけで消費されており、何もしていない状態でもエネルギーが消費されることを基礎代謝と呼びます。

基礎代謝の高い人は低い人と比べて、同じ量の食事を摂取してもエネルギー消費が大きいので太りにくい体質なのです。
筋肉量が少ない人は筋肉が増えれば基礎代謝も上がるため、痩せやすい体に改善することができます。

EMS機器は部分的に鍛えられる

EMS機器を使うメリットは普段鍛えることで難しい部分も施術を受けるだけで鍛えられるところでしょう。

1つの動作であっても、様々な筋肉が複合して動いています。
なので、ウエストや太ももなど単体で鍛え上げることは普通の筋トレでは困難です。

しかし、EMSは部分的な施術ができる上に通常よりもたくさんの刺激量を与えられるので、鍛えられにくい部分を手軽に鍛えて引き締まった体にボディメイクできます。

EMS機器でコアマッスルを鍛えられる

コアマッスルはインナーマッスルや遅筋とも呼ばれる筋肉です。
筋肉はコアマッスルとは別に速筋というものが存在します。

これは皮膚表面に近い部分にある瞬発力に関わる筋肉で、糖分を燃焼効果があります。
速筋は皮膚に近いので筋トレでも比較的につけやすい部分です。

一方、コアマッスルは体の深部にあり、持久力に関わる筋肉です。
体脂肪を消費する筋肉なので痩身では重要な筋肉であると言えるでしょう。

他にも骨盤や脊椎など体幹を支える筋肉で、弱ってしまうと血行不良や代謝不良、内臓機能の低下に神経の乱れなどの不調を生じます。
女性の場合は妊娠や出産の影響で骨盤の歪みが生じやすいため、コアマッスルが衰えると尿漏れに悩まされることも多いです。

痩身だけではなく、姿勢や体のバランスにも欠かせない筋肉ですが、深い場所にあるので運動だけで刺激することは難しいです。
業務用EMS機器は高周波なのでコアマッスルまで電気が届き、効率良く鍛えることができます。

EMS機器で抵抗力が備わる

EMS機器により筋肉が動くと体も活発に動き、血流や代謝がアップします。

同時に脳の活性化にもつながるので、病気やウイルスに強い体にできるメリットもあるのです。
病気だけではなく環境の変化やストレスに打ち勝てる精神力も身に付くでしょう。

血行が良くなることで心臓や内臓の負担が減り、骨にも刺激が届き、骨の老化も抑えられるので、内臓と骨の強化も期待できます。

EMS機器のメリット・デメリット

お客様に安心して通っていただくためにも、EMS機器のメリットだけではなくデメリットを把握しておくことが重要です。
信用問題でもあるトラブルを引き起こさないためにも重要なことなのでしっかりと把握しておきましょう。

EMS機器のメリットとは?

運動が苦手でも安心

運動が苦手な人はジムに通うことや家での腹筋や背筋を行うことも苦痛に感じてしまいます。
そのため、運動を取り入れるダイエットは苦手となるのです。

ですが、EMS機器はパットを体に貼るだけで電気を体に伝導させて筋肉に直接働きかけます。
そのため、運動を行う必要がないのです。

痛みを感じても出力を調整すれば大丈夫なので安心して施術できるでしょう。

部位を選ばない

パッドを貼り替えればどこでも施術が可能です。

ウエストや太ももだけではなく、二の腕やお尻などお客様が気になっている体の部分を集中して鍛えられるので、部分痩せを行いたいと考えている人にも満足できる結果を与えることができるのです。

体力が少ない人でも安心

運動が苦手ではなくても、人間には体力の限界があります。

筋トレを行う場合でも、多くの回数の腹筋や腕立て伏せができなくても、EMS機器を使用すれば短時間で100回分の腹筋を行った時と同じ効果を得ることができるのです。

そのため、ダイエットに時間を取ることができないお客様にも安心して取り組んでもらうことができます。

EMS機器のデメリットとは?

筋肉痛が発生する可能性がある

筋肉に働きかけるので筋肉痛になる可能性も十分にあります。

特に普段運動をしていない人がEMS機器を使用すると筋肉痛になることが多いのですが、筋肉痛になることはマシンが効いている証拠にもなるので、筋肉痛が発生することは悪いことではないと伝えることが肝心です。

電気による刺激がある

中周波や高周波によって電気刺激を与えるので、ピリピリ・ビリビリとした刺激を感じるお客様が多いです。

出力を調整することで刺激を軽減させることが可能なので、お客様には刺激があれば伝えてもらうよう、話しておくことが必要です。
また、敏感肌の人は炎症や痒み、赤身を引き起こす危険もあるので、施術前にしっかりと肌の状態を確認することが大切です。

繰り返し使用することが大切

EMS機器は、1度施術しただけでは効果を得ることができません。
筋肉痛になり、効果があったと感じることはできますが、時間が経過することで効果もなくなってしまうので、通い続けることが重要となります。

業務用EMS機器と家庭用EMS機器との違い

痩身エステで活躍するEMSには業務用と家庭用の2種類があります。
エステやクリニックで使用する施術と家庭で使うものはどのような違いがあるのでしょうか?

出力する周波数が違う

EMSから放出される周波数には、低周波・中周波・高周波・干渉波とそれぞれ周波が異なります。

低周波…1~100Hz
中周波…1000~2000Hz
高周波…3000~5000Hz
干渉波…同時に異なる周波数を出力するもの

痩身エステでは、同時にインナーマッスルにも効果がある中周波~高周波まで出力できる機器を使用している場合がほとんどです。

家庭用は低周波までのものが多く、皮膚の表面に近い筋肉だけを刺激して引き締め効果を見た目でも実感することができます。
低周波で確実に効果を出すためには、強い刺激を受ける必要があり電気特有のビリっとした痛みを感じやすいでしょう。

一方業務用で使用するEMSは、中周波・高周波になります。
中周波は、速筋に加えリンパの流れにも作用します。

ふくらはぎや太ももにできたセルライトを解消するのにも効果的です。
低周波に比べると比較的刺激が少ないので痛みを感じにくくなります。

そして高周波のEMSは皮下10㎝程度まで周波数が届くと言われていて、運動でも動かすことができないインナーマッスルにも刺激を与えることが可能です。

インナーマッスルの強化によって、代謝力がアップし痩せやすい体を作りやすくなり、低周波・中周波よりもさらに痛みが少ないです。
エステサロンで使用しているEMSは、知識を持ったプロが扱うため電気出力も高くなっています。

EMS機器の値段が違う

家庭用EMSで高周波を出力するものはごく一部で、その分値段も高額になります。
それは、高周波になると機器が大型になる傾向があるからです。

値段も数十万~数百万円を超えるものまであり、家庭用として販売されている数万円~数十万円とは価格も大きく変わってきます。
安価なEMSは、痛みも強く継続して使い続けるのは厳しいでしょう。

家庭用EMSを選ぶ場合は、できるだけ出力の高いものや干渉波であるものをおすすめします。
機器の大きさに関しては家庭用のものは、300~500gと割とコンパクトになっているので持ち運びも手軽にできるものが多くなっています。

出力範囲の違い

家庭用のEMSは一度に出力できる範囲がごくわずかです。
それに対し業務用のEMSは、1度で広範囲の筋肉に周波数を届けることができます。

同じ作用を家庭用で対応しようとすれば、かなり時間がかかることでしょう。

しかし、周波数と同様に出力範囲が広いということは、それだけ筋肉に影響を与える箇所が多くなるということなので、専門の技術者によって施術を行うべきです。

筋肉のつき方によって適切な場所にあてなければ効果を引き出すことができないので、知識や経験が必要になります。

業務用EMS機器には副作用はある?

最近、痩身エステで話題のEMSは、筋トレグッズとしても人気を集めています。

電気信号による刺激で筋肉を収縮させ鍛えていくという敏腕な機器ですが、実はそれなりにリスクもあるようです。
使用する前に、注意点や副作用がないか調べておきましょう。

やけどや発疹などの皮膚障害

EMSの機器が歪んでいたり皮膚の表面が凹凸している場所は、電流の接触面が少なくなり小範囲に電流が集中し、やけどや水ぶくれなどの症状が見られる場合があります。

使用中にパットが動いてしまい接触面積が減少することもあり、感覚的にも非常に強い痛みを感じる場合があります。
他にもすり傷やむち打ち、下痢などの症状を訴える人がいたことから、肌に完全に密着させる工夫が必要になります。

過度な刺激により筋肉痛を伴う場合がある

筋肉は本来脳からの指令によって収縮を行う器官です。

EMSは、この指令を外部からの電気信号によって強制的に筋肉を収縮させています。
ですから筋肉が強く収縮しすぎてしまうと、筋繊維に負担がかかって損傷してしまう可能性があります。

筋繊維が損傷し修復していくことを繰り返しながら筋肉は太く補強されていくのですが、過度な刺激を与えることで筋肉痛を起こすこともあるので注意してください。

反対のことを言えば、それだけEMSは筋肉に強い作用をもたらしているということがわかります。

普段から筋トレを行っている人であれば、それほど影響をもたらすことはないかもしれませんが、運動する習慣がない人は生活に支障が出てしまうかもしれません。

EMSは自ら運動をするよりも筋肉への負荷が大きいことがわかります。
しかし、EMSによる施術時間は決まっているので短時間で繰り返し使わなければこのような問題は防げるでしょう。

業務用EMS機器妊娠中の女性や心臓疾患者は使用できない

業務用のEMSは中周波~高周波までの高い周波数で施術していきます。
健康な人であっても、心臓に近い箇所にパットを貼りつけることはできません。

そうなれば当然、心臓疾患者や妊娠中の方には使用できないことになりますし、当然出産直後も使用することはできません。
例え微弱であっても体に電流を流すわけですから、胎児への影響を避けるためにも基本的には施術できないことになっています。

また、妊娠中は子宮の収縮を起こさないようにしなければならない時期でもあり、EMSの刺激によって直接子宮に伝わってしまう可能性もあります。
産後や授乳期は、かかりつけの専門医に相談してから施術するようにしましょう。